投稿日:2010-08-20 Fri
先日、丸の内にあるJAXAの広報施設ではやぶさの再突入カプセルが展示されると聞いて、行ってきた。日程の関係で再突入カプセルを守ったヒートシールドを拝むことはできなかったが、内部の電子機器部品など3点の展示を見た。開催初日は4時間の行列で、整理券をもらうと指定の時刻から「行列に並ぶことができる」というほどの混雑だったそうだ。俺が行ったときは整理券こそ配っているものの、行列にはすぐに並ぶことができたし、だいたい30分ぐらいで展示にたどり着いた。やはりボロボロになりながらも本体を守ったヒートシールドに感じるロマンは多くの人に共通するということだろうか。
バンゲリで言うならラミエルからの荷電粒子攻撃を盾で防御した零号機(綾波)のようなものである。
おあぞのロビーに設営された黒い壁で囲まれたエリアが展示場で、上部は吹き抜けだがJAXAの大きなロゴを描いた青い布で視界を遮っている。内部は一切の撮影が禁止。なかには盗撮しようと考えるヤツもいるだろうし、本格的にその気になられたら防ぐことはできないと思うが、少なくとも俺の視界内で撮影しようとするヤツがいたら撮影機材を破壊する覚悟ではいた。
幸いにして携帯電話をへし折るような必要には迫られなかったのでよしとする。
展示物は再突入カプセルのエンジニアリングモデル(試作品のようなもの?)と、実際に7年宇宙を旅したインスツルメントモジュール、及び内部に搭載されていた電子機器部品の3点。7年も宇宙にあったとは思えないほどピカピカの素敵部品だった。しかもあれが大気圏再突入を経験したとは、予備知識無しでは信じられないだろう。
今更であるが、やはりヒートシールドも見ておくべきだったな。
展示会場は立ち止まらずに見るようにとのお達しがあり、僅かな時間しかなかったが、とりあえず脳裏に焼き付けたので今でもちゃんと様子を再生できる。写真記憶ほどではないが、記憶にはコツがあるのだ。
なお、会場を出る時にはウーメラ砂漠上空ではやぶさが燃え尽きる最期の輝きを写したポストカード。観賞用保存用交換用に3枚は欲しかったが、残念ながらお一人様一枚限り。
就職活動の時に探した先がペンキ屋、次いでシステム関係だった俺には自由な発想などなかったと思う。専攻が化学では宇宙開発事業に携わることは出来ないような気もする(やっぱり物理専攻が主流なのだろうと妄想している)が、ダメもとでもそういう発想があればなぁ、と今更にして思うわけである。
就職なんて生活のためにするもんだとハナから諦めて掛かっていたせいもあるだろうか。あの時にロマンを大事にしていれば、いろいろと違った選択があったかもしれない。
いつもロマンを大事にしたいものである。
△ PAGE UP