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Silverbullet

Author:Silverbullet
ルエリ鯖主に7ch/モハフは3鯖
名前の由来は「銀の弾丸」で、通称ギンダマン。
勇者とは究極の器用貧乏である。

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モハポ劇場 温泉編(上)
 そういえば、解説の必要はないと思っていたけど、念のため、これは「モンスターハンターポータブル3 劇場版」の略でモハポ劇場です。前作(?)モハフ劇場の内容が前提知識として要求される場面が出てくることもありますがご了承を。

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 雲間から光が差す頃、男を乗せた荷車は目的地のユクモ村に到着していた。
「いやぁ、旦那さんのおかげで助かったニャ。ありがとうニャ」
「俺もあの山道を歩かずに済んで助かったよ。ありがとう」
「旅は道連れ、世は情けだニャ~。ユクモ村にはここしばらく常駐の狩人さんがいないからか、最近山道が物騒で困るニャ。
 旦那さんなら歓迎してもらえると思うニャ~。それじゃ、縁があればまたニャ」
 荷車のアイルーは手を振って別れを告げ、荷物の届け先に行くのだろう、ガーグァを再び歩かせ始めた。その後姿を見送って、男はカサを脱ぎ、銀髪を右手でかき回して風を通した。しっとりと濡れた重いカサで押し付けられて落ち着かない感じになっていたのだ。少々癖のある銀髪を手櫛で簡単に整えた男は、満足げに空を見上げた。
 夕立の過ぎ去った空に浮かぶ雲が、傾きかけた太陽の光を受けて橙に染まっていた。

 巨木を伐採して建てたのであろう、ユクモ村の入り口の門は、この地方に良く見られる、鳥居と呼ばれる形をしていた。鳥居の手前にある石段には、浅黄色の布の服を来た若者が腰掛けており、のんびりとくつろいでいたが、男の姿を見ると、立ち上がった。
 武装をしているわけでもなく、鳥居のそばに腰掛けていた若者が立ち上がっただけ、表情は柔らかく、微笑んですらいるのだが、それでも無視して通ることはできそうにないと感じる不思議な雰囲気があった。
「こんにちは」
 恐る恐る、男が無難な挨拶をすると、彼はゆっくりと近づいて来た。
「こんにちは、お兄さん、旅の人かい?」
「ユクモの秘湯に治らぬ病なしと聞ききまして」
 それを聞くと、若者は両手を広げて歓迎の意を示した。
「そうかい、いや、オイラはユクモの門番をやっている者でね。これもお役目なんで、勘弁してくれ。
 旅の人なら俺がちょっとそこまで案内しよう。なに、これも仕事さ」
 と、有無を言わさぬ様子で、男に背を向けて石段を登り始めた。男はおとなしく門番を名乗る若者に従って、石段を登り、鳥居をくぐってユクモ村に入った。
「そうだ、先にアンタの名前を聞いておかなきゃいけなかった。いつまでも旅の人ってわけにもいかねえ」
「俺は、……ギンダマ」
「ギンダマさんか、よろしくな」
 若者は石段を登りきったつきあたりに来ると、左方向を指差した。
「あっちには農場があるんだ。開墾は続けてるけど、このあたりはわざわざ畑を拓くよりも山に入ったほうが手っ取り早いので、あまりはかどってない感じだ。腰も痛くなるしな。
 興味があるなら後で案内しよう。まずはこっち、商店通りだ」
 つきあたりを右に進み、緩やかに曲がる坂道を登ると、広場に面した商店や鍛冶場が見えてきた。大きな丸い岩を二つ積み上げたようなものがあり、岩と岩の隙間からは時折湯気が漏れ出ている。隣に「ユクモ温泉たまごあります」という幟が立っている。土産物屋らしい。
 その隣には雑貨屋なのか、薬草にはじまり虫取り網やピッケル、砥石やタルを並べた店があった。
「雑貨屋さんは主に狩人さんが利用するんだが、ユクモ村には今、常駐の狩人さんがいないのでちょっと暇してるみたいだ。もっとも、経営の半分はギルドが持っているから、構わないらしいけど」
「アンタに暇って言われたくないわ」
 店番の女性が門番の若者に抗議の声を上げた。若者と同じような浅黄色の着物を着た、朗らかそうな女性だ。
「オヤジさんの手伝いもしないで門で座ってるだけじゃないの。
 お客さん、あまりそいつの話、真に受けないでね。お土産からピッケル経由で調合指南書まで取り揃えてるわよ!」
「……アオキノコ、ありますか?」
「アオキノコは自分で取ってきてちょうだい。薬草ならあるわ」
「ですよね」
 雑貨屋を後にし、先に進むと、若者は少しバツが悪そうに頭を掻いた。
「いやさ、俺もいつまでもブラブラしているつもりじゃないわけよ。オヤジの跡を継ぐべきか、俺の道を切り開くべきか、悩む年頃なわけよ。それに、オヤジと山に入った時にブルファンゴが尻に突撃してきて、その傷がまだ癒えてないんだよね」
「尻が痛くては何もできぬ、ということわざもある。焦らなくてもいいさ」
「おっ、ギンダマさんは話がわかるね」
 若者は嬉しそうに言った。
「ユクモ村の温泉の湯元からさらに奥に霊峰って呼ばれる山脈があって、たまにギルドの調査員や学者先生が出かけるのを見るんだ。もしかしたらオイラもそういう高尚なガクジュツ的仕事が向いてるかもしれないだろ? 可能性は広げていくものだと思うんだよね」
 ギンダマは無言ながらも時々頷きつつ、門番の若者の話しを聞いていた。
「おっとと、話がそれたな。この石段の上が広場、あっち側が鍛冶屋さん。ギンダマさんみたいな湯治のお客さんには無縁かもしれないが、簡単な武器防具を一式買うこともできるし、素材を持ち込めばそれに見合ったヤツを職人さんが作ってくれる。
 普段は村人の日用品も作ってくれるんだが、いい腕してるんだよね。
 ユクモ村周辺の山々には丈夫な繊維が取れる木や草が多くて、そういう日用品も土産として人気なんだ。もっとも……」
 門番の若者はちらりと男の服装に目をやった。
「ギンダマさんが着ているのが、その土産の目玉、ユクモの胴着一式なんだがね」
「これ、港町で買ったんだ。ユクモ村への道を聞いたら、湯治客はこれを着ていないと相手にされないって言われて」
「あいつまだあの商売してるのか」
「有名なのかよ」
 このやり取りは二回目だと思いながらも、ギンダマはそう言わずにはおれなかった。

狩猟 | 11:44:30 | Trackback(0) | Comments(0)
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