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Silverbullet

Author:Silverbullet
ルエリ鯖主に7ch/モハフは3鯖
名前の由来は「銀の弾丸」で、通称ギンダマン。
勇者とは究極の器用貧乏である。

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モハポ劇場 温泉編(下)
 歴代モンハンの村長さんの中ではユクモ村の村長がサイコーだと思うんですよね。最終クエストで急にドSになるけど。だがそれがいい的なアレ。
 以下、本文。

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 浴場の番頭さんは粋な前掛けにねじり鉢巻のアイルーだった。
「おっ、旦那さん、コチラは初めてだね。そこの脱衣所でユアミスガタに着替えてお湯へどうぞ。
 混浴だから全裸はのーぐっどですぜ。お風呂上りには温泉ドリンクをごひいきに!スキルも発動!」
 実に気風の良い番頭さんであった。
 ユクモ胴着からユアミスガタ(男)に着替えたギンダマはざっとかかり湯をしてから、ふわふわと湯気の立ち上る湯に滑り込んだ。さらりとした肌触りの湯はほとんど匂いがなく、温度も申し分ない加減であった。
「ああー……」
 全身の筋肉が緩やかにほぐれていき、このまま湯に浮かんで眠ってしまいたいほどの安らぎを感じる。ただ、以前聞いた「風呂に入っているうちにちょっと寝てた、みたいなことは稀に良くあるが、あれは寝てるんじゃなくて気絶だから、最悪死に至る」という話をどうしても忘れることが出来ないギンダマは、閉じていた緑色の瞳を開けた。
 何か巨大な生き物の頭のような形をした岩の口の部分からこんこんと流れ出る湯を眺めながら、これからどうするか、ということをぼんやりと考え始めていた。ドンドルマを引き払う時、ほとんどの装備や素材は大陸間の移動に邪魔になるということで売り払い、そのお金も大半はギルドの規定やらなんやらのカラミで手元に残っていなかった。ライナスの手紙にあった「ハンターの仕事をすればしばらく生活には困らない」というのは、そのあたりの事情も踏まえてのアドバイスと思われた。
 別にハンター稼業がいやなのではない、ギルドに狙われているわけでもない、それならば、何故、旅立ったのか? それは彼自身にもよくわからないことだった。

 まもなく夕日が山の向こうに沈む様子を、村長が静かに眺めていた。そこへ、さっぱりした様子のギンダマが近づいてきた。
「こんばんは」
「あら、ギンダマさん、こんばんは。お湯加減はいかがでした?」
「すばらしいお湯でした。噂以上ですね」
「それは何よりでした。よろしければ、どうぞ」
 村長は赤い布を敷いた長椅子の上で、座る位置を少し左にずらした。そこへ一礼したギンダマが腰掛ける。
「港町で、この胴着を着ていたら、皆、ユクモ村に興味津々のようでしたよ。
 山道を整備したら、もっとこの村も大きくなるんじゃありませんか。ユクモの湯はそれだけの価値があると思います」
「あらあら、まるで商人さんみたいね。でも、そんなこと、あなたの本心ではありませんでしょう」
 村長はギンダマの質問の意味を完全に把握しているようだった。
「でも、そうね、ギルドにハンターの派遣をお願いしているのになしのつぶてというのが、嘘だというのはギンダマさんにはわかっているようね。だから、おあいこかしら」
 長命な竜人族は、ただ長い時間を無為に過ごす種族ではない。過去の経験を記録に残し、伝承し、次の変化の予兆を把握して対策を取ることのできる聡明な種族だ。それゆえ、人類の拠点の長を勤めることが多く、事実、竜人族の治める拠点が短期間で壊滅するような事態にはほとんどならない。
 この若く美しい竜人族の女性も、その例に漏れず聡明で、ギンダマよりも少なくとも数倍から十数倍の年月を生きていると見て間違いないだろう。竜人族の寿命とは、それほどのものなのだ。
「上の浴場は、集会浴場と呼んでいて、少なくないハンターのお客様向けに、ギルドのクエスト受付を設置しておりますの。つまり、こう見えて、ユクモ村はギルドとは強いつながりを持っておりますのよ。それを見て、ギンダマさんは私の嘘を見破ったのね」
「ええ。常駐ハンター派遣の要請はしていないと思いました。要請があれば、派遣されているはずです」
 自信を持って断言するギンダマだったが、村長は首を横に振った。
「半分はアタリ、半分はハズレ。でも、それは良いことだと思いますの。
 ギンダマさんは見たこと聞いたことを正確に理解して、真実にたどり着くことの出来る方のようね。そして、見ていないこと聞いていないことを、思い込みで補わないことの出来る方…… 私はこちらのほうが希少な才能だと思いますのよ」
「……」
「クロマツの教訓、というお話をしましょうか。
 昔々、海岸沿いに村を作ろうとした人々がおりました。荒い海で漁をするには不向きでしたが、灌漑に便利な川と平坦な荒地が広がる場所だったからだそうよ。人々は海風が強く、潮気で作物が弱ってしまうのを防ぐため、潮気に強く、荒れた土地でも育つクロマツを海岸沿いに植えたの。
 クロマツは人々の期待した通り、すくすくと育って、海風を防いでくれて、そのおかげで、村は広大な畑の開墾に成功して、とても豊かになったそうよ。でも、その村は、今では廃村。畑も荒地に戻ってしまったのよ」
「……急な話ですね」
「そう、急な話よ。
 クロマツは潮風を防いで、とてもいい環境を作ってくれた。そのために、様々な植物や作物、それらを食べる動物たちが集まって、とてもにぎやかになった。そのにぎやかな命のざわめきの中に、クロマツの子がいないことに、誰も気がつかなかったの。それが悲劇の始まりだったのね。
 人々が植えたクロマツが寿命を迎えて枯れた時、クロマツのように潮風に強い植物はいなかった。あっという間に海辺の防風林は全て枯れてしまい、畑の作物も全滅した。蓄えがなかったわけじゃないと思うの。でも、誰もそこには残らなかった。
 私はこれをクロマツの教訓、と呼んでおりますの。
 ……あら、すっかり日が暮れてしまったわね。お引き留めしてごめんなさい。ギンダマさん、ゆっくりおやすみになってくださいね」
 村長は優雅に立ち上がり、広場から立ち去った。その後姿を見送ったギンダマも広場から立ち去り、村長に提供された家へ戻った。
 教訓というからには「だから……」と結論があるものだが、そうではなかった。だが、結論を尋ねるのは野暮だと、彼は考えた。結論は明確だったからだが、しかし、彼の考えを村長に話したら、きっと「半分はアタリ、半分はハズレ」となるような気がしていた。
「でも、それでいいのさ」
 そう独り言をして、ベッドに寝転んだ。それで良かった。彼の明日の予定が決まったのだから。

狩猟 | 12:12:12 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
カポーン回かと思いきや案外あっさり終了した( ˘ω˘)
今回は勇者ソロなのかイツメンくるのか今後の展開を見守りたい( ˘ω˘)
2016-07-07 木 19:02:13 | URL | まりそ [編集]
> まりそる
渓流編ハーフタイムからイツメン出ます。
全員ではないが。
2016-07-08 金 13:29:15 | URL | Silverbullet [編集]
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