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Silverbullet

Author:Silverbullet
ルエリ鯖主に7ch/モハフは3鯖
名前の由来は「銀の弾丸」で、通称ギンダマン。
勇者とは究極の器用貧乏である。

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モハポ劇場 渓流編 後半(上)
 ハーフタイム長くない?

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 朝が来て、ギンダマの寝床に小鳥のさえずりが届く頃、裏口の柱を軽くノックする音がした。
「起きているか、勇者よ。我らは朝風呂としゃれこんでから広場に行くでな」
「……いってらっしゃーい」
 どちらかというと、ひってらっしゃふぁーいのような、あくび交じりのギンダマのあいさつは気にせず、足音が集会浴場のほうに向かって小さくなっていった。寝床で身を起こし、ユクモ村の工房の製作一覧表を枕元からそばの机に移し、大きく伸びをした。
 少々夜更かしをしてしまったが、ぐっすり眠れたようだ。疲れはかけらも残っていなかった。
 身支度を整えたギンダマが訪れたのは、ユクモ村の工房だった。長くこの村で工房を営んでいるという竜人族の男性(周囲の村人にはモミジィと呼ばれていたが、それがモミ爺、という愛称なのかどうか、ギンダマは判断しかねていた)が彼の姿を見ると、すぐに奥から入魂の一品を運んできてくれた。
「待っておったぞ。ご注文のハンターシリーズ一式、それにこちらも鍛えておいた」
 鉄と毛皮を巧みに利用して動きやすさと防御を両立した、多くの狩人たちがこれを身に着けた歴史のある装備品だ。ドンドルマでもハンターセットからギンダマの狩人生活が始まったのだ。それをわずかな時間、懐かしく思い出す。
「ユクモに伝わる太刀とは一風変わっておるが、それだけに、なかなか刺激的な仕事になったわい。
 感謝するぞ、若いの。ワシも村長も、おぬしには期待しておる」
 モミジィはカッカッカと高笑いすると、椅子に腰かけて、仕事道具の手入れを始めた。

「うわー、勇者さま、なんか懐かしい感じですねー」
 ましあはハンターセットに新品同様に鍛え上がった太刀を背負ういでだちのギンダマを見ると、目を見張った。しかし、それ以上に目を見張っていたのはギンダマのほうだった。
「あの…… ましあさん、その装備は?」
「これですか? 不思議系魔法少女ましあをイメージして作ってもらいました!」
 どすん、と重い音を出したのは、どれほどの量の鉱石をつぎ込んで精製したか想像もつかない巨大な金槌で、持ち手のない方向すべてに凶悪な円錐が備わっている。彼女の姿はかぼちゃのお化けを思い切りかわいらしくした雰囲気で、言葉の通り、かぼちゃ色のとんがり帽子、お姫様のドレスのように膨らんだ肩には大きな口を開けて笑うかぼちゃお化けの意匠、スカートはかぼちゃのようにまるまるとしていて、足元はかぼちゃ色のロングブーツにかぼちゃのつるが絡まっている意匠が小粋であった。
「あ、これが魔法のステッキです」
 どう見ても凶悪な金属の塊としか言いようがないものを指さす。
「どう見ても金槌です。本当にありがとうございました」
「あとはキメ台詞? 魔法の呪文? を考えないといけないかと思ってるんですけど、何がいいですかね?
 一応、今は『縦三縦三ピヨリンパ』みたいなのが第一候補です」
 物騒な魔法の呪文を唱えるましあ。
「魔法の呪文はそれでいいとして、やはり変身後のキメ台詞も大事だと我は思うのだ。
 例えば『逆鱗くれなきゃ、討伐しちゃうぞ★』とかな。そう思うだろう勇者よ」
 背後から声をかけてきたのはマリソルだった。背中に一対の剣を背負い、黄味がかった金属の全身鎧を身に着けている。紫色の乙女装備に弓を背負う姿を見慣れていただけに、ギンダマは少し驚いた。
「なお、クロガネって上位素材使ってない?みたいな疑問を持ったであろう勇者のために解説しておくとだな、関所の係員は『か弱い魔法少女からステッキすら取り上げるんですか?』と涙ながらにハンマー振り上げて訴えたら通してくれたのだ」
「それダメなやつでは……」
「勇者はかよわい魔法少女から魔法のステッキを取り上げるつもりか? 堕落ポイントも辞さないというわけかな?」
「お通りください」
「それでよい」
 素直に賛成したギンダマであった。
「そろそろ行こう……」
 肘でギンダマを小突くマリソル。視線の先には、縦三縦三ピヨリンパと呪文を唱えながらクロガネを自由自在に振り回すましあを遠巻きに眺めながら、徐々にざわつきが生じ始めている村人たちの集まる広場があった。

「リオレイアがいないというのは誤算であったな……」
 渓流のベースキャンプで支給品ボックスを開けながら、マリソルがぼやく。ざわめく広場で村長と話をした結果、例の女性ハンター向け雑誌の記事にあるリオレイア狩りについては、いわゆる『飛ばし記事』であり、季節によってはユクモ村からほど近い孤島にリオレイアが出なくもない、というのが実態だということがわかった。
「考えようですよ、リオレイアがマジで、温泉が飛ばし記事だったらタダでは済まされませんよ」
「我も同感だ」
 ましあの宣言に同意するマリソルの言葉を聞きながら、どんなところか知らないが、雑誌の編集部にクロガネを持ったましあが大回転しながら突入する様子を想像したギンダマは深く頷いた。おそらくまりそるは再び弓を持って火矢を射かけるのだろう。
「とりあえず、渓流に青熊獣…… アオアシラが出て問題になりそう、とのことだったので、ちゃっちゃと討伐しちゃいましょう」
「うむ、人助けをしておいしいご飯を食べてゆっくり温泉につかって徳を高めよう」
「そうだな、俺も堕落ポイントを追加されずに済む」
 ギンダマは村長から預かった「アオアシラ 一頭の狩猟」と書かれたクエスト依頼書を懐に押し込んだ。
「ところで、アオアシラって?」
「青い毛の、まあ、熊なんだそうだ。
 鼻が利くので、一度狙われてしまうとどこまでも追っかけてくるらしく、山菜取りの村人には恐れられてる。普段はハチミツのにおいを嗅ぎつけて、ウマーしてるらしいが、巨体のモンスターがハチミツで生活を維持できるはずはない。
 渓流で魚やケルビを獲っているはずだ」
 寝る前に雑貨屋で購入した書籍に書かれていたアオアシラの項目をそらんじるギンダマ。
「さすがは勇者さま、博識です。つまりロイヤルハニーチャンスもあるということですね」
「お肌つやつやボーナスステージ。理想郷はここにあったのか」
 そんな話をしながらベースキャンプを出発する一行であった。

狩猟 | 23:59:59 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
フルフルで死ぬ奴やって。
2016-07-25 月 17:27:27 | URL | ちっぷ [編集]
> ちっぷ
その豆知識はモハフ劇場でやったよwww
2016-07-25 月 17:32:13 | URL | Silverbullet [編集]
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